「どんな動機でツアコンに?」
「初添乗を覚えてる?」
「なにか思い出に残るツアーは?」
「この仕事のやりがいって?」
「これからなろうという人(or 新人)にアドバイスは?」
・・・etc.

自分は、まだ先輩だなんて・・・と言わずに、
仕事を始めている方は是非お話を聞かせてください。
(回答ページは こちらです。  )


登場する先輩たち
 K.Fさん(女性/49才/経験歴25年/主にヨーロッパを添乗)
 G.Sさん(男性/40歳/経験13年/主にヨーロッパ・アメリカ添乗)
 かずさん(女性/35才/経験歴8年)
 Hanaさん(女性/36歳/経験10年)



K.Fさん(女性/49才/経験歴25年/主にヨーロッパを添乗)

私は、学生時代に英語が多少話せるというので、通訳兼案内役としてアメリカから来日したライオンズクラブのメンバー達のお世話をしたことがあったんですが、それがツアコンに興味を持つキッカケだったようです。

ただ、卒業してからすぐツアコンになったわけではなくて、損害保険会社や一般企業に勤めていました。でも、日本の社会では女性は男性営業マンなどと違いまして、自分のやった仕事が直に跳ね返ってくるということがないわけです。

そんな時、友人から、添乗という仕事はこれから伸びていくと聞かされたんですが、その頃はまだ旅行会社の社員が添乗していたので、ツアーコンダクターという言葉も無くて専門職として確立されてはいませんでした。

でも、なんでも最初は苦労が伴うわけですし、大変そうだったけれど、女性がそのように社会の前面に出ていくチャンスも無い時代でしたから、自分がやったことの反応がお客さんから直ぐに返ってくるツアコンの仕事は面白そうだと思いました。怖さもあるけど将来性ややり甲斐がありそうだと。

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最初の添乗は、旅行会社の社員だった友達の紹介だったんです。まず国内からでしたが、当時は教育カリキュラムなんかなくて、お客様の扱い方などは事前に聞きましたけど、あとは手探りで実地で覚えていきました。

ただ国内旅行は言葉の心配もありませんでしたし、最終的には人と人ですので、とにかく誠意を持ってやれば分かってくれるんじゃないかと思いました。

私の場合は、お客様の心をつかむことを自分のテーマにして、国内添乗を比較的重点的に長くやりました。そういう気持ちでやっていけば将来海外に出たときに必ず役に立つと思って。

今はほとんどヨーロッパ専門で、1回につき10日から12日くらいで、月に2回くらい出ています。通常ツアーの間隔は1週間から10日間あるのが良いようですが、私の場合は5日間くらいで、前のツアーの緊張感が残っている方が良いようです。

最近はツアコンになりたい人が多いし、ツアコンになるための情報はたくさんありますが、旅行好きというだけでは難しいと思います。人のお世話が好きでないとできないお仕事ですよね。

お相手するのは人間ですし、生まれも育ちも違うわけですから大変です。私の場合は、ツアー初日にある程度団体をまとめるようにしています。それができなければ今回のツア一はダメかなという感じなんですけども、最初の国に到着するまでが勝負だと思っているんです。

空港で初めてお会いした時は、お互いにシラジラしい感じがあると思うんですけど、目的地に着くまでに全員の名前を覚えることが私の最初の仕事だと思っています。あとは、どのお客様とも付かず離れずというふうにしています。これは非常に難しいんですよね。話しやすいお客様もいらっしゃれば、いろいろですので。ご職業などの問題もあるので、他のお客様の前というのではなく、個人的にお話をしながら最終的にまとめていくようにしています。

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最初の添乗の前は緊張の一言で、とにかく出ていないのですから予想がつかなかったですね。

男性ばかりの職場で沖縄旅行だったのですが、知識を詰め込むだけ詰め込んで何がなんだかわからないという状態で出発しました。

やっているうちに緊張もほぐれてきたんですけど、やっぱり誠意を持って当たれば必ずお客さんに通じるというのが最初の添乗の印象でしたね。失敗しても一生懸命やれば必ず認めてくださると。それまでは失敗というのは絶対許されないことと思っていたんですけど、人間ですから失敗するんです。そういった時でも、手を抜いたらお客様は見ていらっしゃいますから、とにかく一生懸命やる。そうすれば、それはお客さんに必ず通じるんだなっていうのが第一印象でした。

終わってみると、お客さんとしてツアーに参加するのと違って、裏方やサービスに徹しなければならない。何か不満に思ってもお客様は神様と思わなくてはならない、というところが大変だなあという感じでしたよね。

国内旅行は言葉も通じますからお客様は勝手が分かる。その点、海外は言葉という問題がありますが、いろいろなハプニングもありますので、ツアコンに非常に頼って下さるのでやり甲斐があると思います。ですから、ツアーがスムーズにいってしまうと、かえって物足りないという感じはあります。

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アンケートで一人だけ悪い評価があると、最初のうちはすっごいショックを受けていたんですよ。その方に対しての自分の態度を一生懸命思い起こしたりして、どうしてこの方がそんな評価をくださったのかと悩んだこともありました。

でも、考え方を変えたんですね。人間は相性というのがあると思うんです。どんなに親切にしても、人間ですから「コイツは気に喰わない」と思われることがあるんですよね。

半分近くのお客様の評価が悪ければ、やはり反省しなければいけない所があると思うんですけど、とんでもなく悪ければ別ですが、一人か二人のお客様の評価はあまり気にしないようにしています。これは新人の方にも言える事ですが、100%満足してもらうようベストを尽くすべきですが、やっぱり相性の問題はあると思います。

ただ、どんな時にも絶対に手を抜かない。誠心誠意を持って一回一回全力投球しています。私たちは何十回と同じ所に行くわけですけど、あるお客様にとっては一回なんですよね。ですから絶対手を抜けない。自分としてはこれ以上はできなかった、自分の力の100%を出したという仕事をしたいと思っています。

ツアコンは、いろいろ現地で対処してこなければならないことがありますけど、それがうまくいかなかった時に、現地でお客様に吊し上げにあって追い詰められて悔し涙を部屋で流したこともあります。お客様にしてみれば高いお金を出していらっしゃるし、文句を言う相手は添乗員しかいないわけですから仕方ないのですけれど、やっぱり大声を出されたりすると辛くなって、やめたいと思ったことはありますよね。

毎回毎回お客様が違うわけですし、ドキドキです。正直申し上げてツアーに出る前の日なんてイヤな気持ちですけど、あとはもう「やるっきゃない」っていう感じですよね。

ところが帰ってくる頃にうまくまとまっていると、何日も衣食住を共にしているのでいろんな思いが込み上げて、最後のご挨拶がいつも涙声になってしまうんですよね。お客様から「大丈夫よKさん、また会えるのよ」なんて慰められたりしましてね。そんな時に、やっばりこの仕事やってて良かったなって思います。

でも、お客様からありがとうと言われると、こちらの方が頭が下がる思いがするんですよ。というのは、ツアコンがガイドをすることがあるんですが、私でなかったらもっとうまい説明ができたんじゃないかな、こんな一夜漬けみたいな説明で申し訳けなかったとこちらが頭が下がるのに、それに対して「Kさん、良かったわ」なんて言われると、今度ここに来たときは、今回の経験を活かしてもっと勉強してうまく説明しなくちゃという思いになりますね。

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パリからアムステルダム経由で日本に帰ってきたことがあったんですけど、飛行機に故障があって今日は飛ばないと言われたんですね。今晩はアムステルダム泊まりだと。ホテルは5ッ星だったので良かったんですけれど、どういうわけか添乗員の付いてないツアーの日本人客が多くいらして、100人以上いたと思いますが、すべての日本人の部屋割りを私がやることになったんです。お食事の注文には通訳も必要ですので大変な騒ぎでした。結局、私は荷物を部屋に置いただけで、日本の会社やご家族への連絡やらでずっとフロントにいました。

翌朝飛行機に乗ったまでは良かったんですけど、私はまったく眠っていないので、座席に着くなり居眠りしたんですね。そうしたらお客様に起こされまして、その便が○○経由だったので○○に到着したと思ったんですね。ところが窓から外を見ると景色が変わっていないんですよ。あらっと思ったら、その時は4時間くらい経っていたんですけど、機材の故障でホテルに戻っていただくということになりましてね。結局、二泊したんです。

翌日の便は△△経由で余分に飛ぶことになって、お客様にはそのまま説明したんですけれど、それまでお客様が私の仕事ぶりを見ていて下さったのと、逐一状況を説明していたのでクレームにはなりませんでした。

海外ではハプニングがあって当たり前で何もなくてラッキーという感じですから、最悪の場合を考えて、お客様とのコミュニケーションを大切にしておくことと、誠心誠意やっているところを常にお客様の前で示しておくということも大切だと思いますよね。

それと、なんでもかんでも謝ってしまうのは良くないと思います。ツアーで思うようにいかないと、つい「すみません、すみません」と平謝りしてしまいますが、かえってそのツアーは良くないのだという印象をお客様に植え付けてしまうと思います。もちろん謝るケースも必要ですけど、お客様にご理解いただくことが大切ですよね。

転職してツアコンになりたい方は、いろいろ不安を持っていらっしゃると思いますが、社会に出た方は苦労していらっしゃるし、忍耐力や頭を下げることを覚えてきておりますし、社会的な常識もありますので、非常にうまくいくケースが多いと思います。人間対人間の仕事ですので、そういった意味で社会経験は必ず役に立つと思いますよ。




G.Sさん(男性/40歳/経験13年/主にヨーロッパ・米国添乗)

私は、大学時代に一年休学してカナダに留学したことがあるんです。旅行が好きで、その間にアメリカ全土を旅行したのですが、空港などでチェックインに戸惑っている日本人旅行客のお世話をした時など、なんとなく旅行関係で人のお世話をするのもおもしろそうだという気持ちは持っていました。

ところが、卒業後はハンバーガーで有名なあるファースト・フードの会社に入社することになり、店舗に出たり貿易関連の部門で働いたのですが、どうしても好きな英語を活かして国際性のある仕事に就きたいと思って退職することにしたのです。

そのときは具体的な進路を決めていたわけではなかったのですが、好きな読書をするうちにツアコンが登場する本に出会ったり、テレビなどにも添乗員が出て来たので興味を持つようになりました。

しかし、実際にツアコンになるには旅行会社に知人もおらず、たまたま新聞募集で今の会社を知って応募することになったのです。

それまでは、ツアコンになるための特別な勉強をしたことはありませんでしたが、ヨーロッパについては大学の卒業旅行で行っただけでしたので、あらためて本を読んで宗教や言葉の勉強をしました。

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私の初添乗はヨーロッパで、一泊のエ一ゲ海クルーズを含むギリシャとパリで8日間のコースでした。

ツアーの10日前位からはワクワクしながらも眠れない日々が続きました。それまでに添乗についていろいろな本を読んだのですが、飛行機が飛ばなかった話やお客様が病気になったりするトラブルについて書いてあって、経験していないわけですから、そればかり心配して眠れなかったのです。

自分なりにいろいろなケースを想定して、こうなったらああしようとか、知識は十分にはなかったのですが、頭の中で状況を作って解決策を考えたりしました。それに、お客様に初めての添乗だと見破られないために、最初の成田空港でのご案内のブリーフィングだけは家で一人になって大声で勉強しました。

事前の勉強といっても、何かをなくしたらここに行くというような簡単な手引きはありますが、すべてがマニュアルになっているわけではないので、あとは現場で体で覚えていくことの方が多いと思います。

ですから、だれか新人が補助添乗員として私に付いても、テキストのような添乗のやり方を期待していたらちょっと戸惑うかも知れません。でも、ご案内のプリーフィングだけは徹底的に練習したので、誰にも負けない自信があります。新人添乗員が私の成田でのチェックインの様子を見によく来ますが、きっと好評だと思いますよ。

それでも最初の添乗の時は、12月だというのに手に汗をかいて、なにがなんだか分からない状態でした。ただ、学生時代にシアトルのボーイングの工場に見学に行くほどの飛行機好きだったので、空港でのチェックインはスムーズに終わらせることができました。

そのツアーは北欧の航空会社を利用していたため、途中で乗換えのためにヘルシンキに寄ってアテネに行く予定だったのですが、成田出発の時点で飛行機が3時間遅れとなってしまったんです。幸いヘルシンキ空港でも次の乗り継ぎ便がエンジントラブルで出発が遅れていたため、結果的には1時間の待ち合わせ時間があったのですが、空港では現地通貨に両替して、公衆電話からアテネの現地係員に電話することになりました。

もう夜中だったため、アテネ空港に出迎えにくる係員の自宅に電話したのですが、本人はすでに空港に向かって家を出た後で、電話には奥さんが応えました。英語で飛行機の遅れのことを説明すると、迎えに行くときは飛行機の到着時間を確認するし、よくあることだから何も心配いらないと言うのです。でも、初めての添乗でしたので心配で、アテネの空港でその係員と会ったときは本当にホッとしました。

その後は大したトラブルもなくツアーは進みましたが、私には少しミーハー的な所があるのか、テレビ・コマーシャルの舞台になった場所があると、画面と同じアングルからその場所を見てみたいと思って、当時クレジット・カードのCMで俳優の中○貴○さんがパリのシャイヨー宮の近くの店でロケしていたので、自由時間の時にお客様をお連れして喜ばれたことがあります。強制ということではなく、せっかくパリに来たのですからメトロの乗り方をご説明するついでに、ということだったのですが、たまたま全員のお客様が参加されましたね。

ツアー中は疲れたとか大変だという意識はなかったのですが、帰国して最後のお客様をお見送りしたとたんにドッと疲れが出て、その場に倒れそうになりましたね。成田から電車で帰ったのですが、ぐっすり寝込んでしまって車掌さんに起こされるまで気が付きませんでした。

アンケートは後から郵送で回収することになっていたため、直に目を通すことはできませんでしたが、ツアーを主催した支店の方から好評だったと聞かされて、翌年に同じお客様の参加されたツアーの添乗をしました。そのお客様が私の添乗するコースを指定してくださったんですね。

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この仕事をやっていると、世界の最新の情報を生で見ることができるし、視察旅行などでは自分の知らない世界の仕事を学ぷことができていいですね。それにお客様は十人十色でいろいろなタイプの人に出会えるというのも楽しい。私は人間が大好きですし、人前で話しをするのも嫌いな方ではありませんから。

私は男性なので主催旅行よりも視察旅行の方が多いですね。初めの頃の3ヶ月位は主催旅行の添乗をしていましたが、あとはオフ・シーズンの時を除いて視察旅行の添乗です。
年間にして240〜250日というところですか。

このようなツアーでは会社訪問などがあるのですが、会社側から手配されている場合でも、やはり添乗員としては一つ一つ自分で確認していくわけです。たとえば、外国系の会社でヨーロッパの本社を訪れるツアーの場合、訪問の時間と場所だけ聞くのではなくて、バスはどの駐車場に停めることになっているかとか、入り口の守衛さんに許可証をもらっておかないと入れない、というようなことまで事前に確認しておかなくてはならないわけです。

そこまでしてもヨーロッパなどの場合は、お国柄によっては、確認しておいたのに「私は知らない」とか「そんな手配は入っていない」ということがあるので、ツアコンとしては最終的には自分を信じて全部自分でやるしかない。

業務的な内容を含むツアーの場合は、この会社訪問にすべてを掛けていることもあるので、それに失敗したのでは、あとの観光がどんなにすばらしくても意味がないわけです。

ですから英語の力がものすごく物を言うことがあるのですが、どこでも聞き取りやすい英語を使ってくれるわけではないんです。日本にジャパニーズ・イングリッシュがあるように、スペインにはスパニッシュ・イングリッシュがあったりする。だから注意しないと、時間の聞き間違いなどしたら大変なことになります。専門用語は通訳を立てるので心配いりませんが、会議室で通訳を交えてミーティングをしている時は、ツアコンは外で次の手配の確認をしていたりするのです。

それでも私は視察旅行の方が好きですね。というのも、パッケージ・ツアーの場合は手配がすべて現地旅行代理店でなされているわけですから、それ以外のことをツアコンが現地で依頼すると、規定外ということで余分なお金がかかったり拒否されるわけですが、視察旅行では、バスを5時間借り切っているとなれば、その5時間を使ってどのようなコースで観光するかはツアコンが決めることができるわけです。そういう意味ではやり甲斐があると思います。

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これは別のツアーの時ですが、ローマの空港で搭乗券をもらい、ゲートに入ってその夜の最終便を待っていたら、いきなりフライト・キャンセルになってしまったんです。

この便は国内線だったもので、バスで次の目的地まで行くか、ローマにもう一泊するかということになったんですが、結局もう一泊して翌日の便で出発しました。その日はローマの郊外のナポリ、ポンペイと一日かかって観光を終えたところだったので、お客様は疲れてグッタリされてましたが、翌日またローマが見られて良かったとおっしゃってました。

この仕事をやっていると、こうした交通機関のトラブルがよくありますが、それまでツアコンがしっかり仕事をしていると苦情は言ってきませんね。反対に、どんなにささいな事でも、それまでなんとなくうまくいっていないと、そういう時に一気にお客様は苦情を言ってくるようです。

ローマの場合でも「添乗員の走っている姿が美しかった。うちの息子はあなたと同じ年だけど、走っているのを見たことがない」と言って写真を送ってくださったお客様がいらっしゃいますよ。その写真は今でも部屋に飾ってあります。

飛行機のトラブルと言えば、夜中に航空会社から突然「明日の昼の便は飛ばない」と連絡が入ることがあるんです。そうなると寝ないでアチコチに電話をかけまくるわけです。
そのときは焦っていて、自分はいま何をやっているんだろう、なんて思ったりするのですが、いろいろ交渉したあげく、翌朝お客様には何もなかったようなスッキリした顔で「本日はチョット他の航空会社になりますが、これからの行程には何も支障はありません」と発表するときは、事情は自分だけが知っているのですが満足感がありますし、演技者になったような密かな快感がありますね。(笑)




かずさん(女性/35才/経験歴8年)

<どんな動機でツアコンに?>
私の場合、短大の英文科を卒業して、一度商社の営業職を1年半ほど経験した後、学生時代にホームスティでやり残した英語の勉強をするべく再渡米し、プログラム終了後も帰国してどんな仕事に就くか漠然と考えていた矢先に、LAXで運命的な出会いがありました。

その日帰国の途につく私を待ち受けていたのは、帰国便の欠航でした。アナウンスに従い利用便航空会社のカウンターに出向くと旗を持った30代前半くらいの男性ツアコンがカウンターのグラホス相手に一歩も引かず、団員の泊まるところ、食事、振り替え便の確定等について交渉されていました。

その強靭な交渉力と振り返ってお客様へ説明されている時の余裕のある態度、安心感のギャップがまた素晴らしかったのです。その様子を傍から一部始終見させて頂き、「これだ!!」とひらめいたのです。

<初添乗を覚えている?>
6ヶ月のカウンター勤務を経て、秋のハイシーズンにデビューしました。
初めての仕事は国内修旅のサブ。日数も長く、毎晩ミーティングで寝る間もなく、食事も10分くらいで済ませて走り回りました。これと言って失敗はありませんでしたが、高校生の生徒達と交流したり、年の近い先生と話をしたりと充実していましたが、終わった時には今までに経験したことの無い疲労感を感じました。しかし今では、その疲れにも慣れました。

<思い出に残るツアーは?>
たくさんありすぎて書ききれませんが強いて言うなら、結婚退職前に行った最後のツアーでしょうか。その時はこれが最後だと思っていましたのでお客様に涙を見せないように悟られないように一生懸命いつものツアーのサービスを心がけました。

<この仕事のやり甲斐って?>
それは別れ際の労いの言葉、車内での拍手、アンケートの良い評価やコメントに尽きます。そして良い出会いがあった時は最上の「喜び」を得れます。

<これからなろうという人(or 新人)にアドバイスは?>
アドバイスできるような経験は積んでいませんが、高収入で仕事を選ぶのでしたら他の仕事をお勧めします。ツアコンの成り立ては収入が少ないので当面の生活費を蓄えておくか、家賃の安いところへ引っ越す、或いは実家に戻るなどの対策が必要かと思います。
派遣会社の選定は他人の意見にあまり惑わされず、自分は個人事業主でテナントを借りるようなものと考えていれば自分にあった所が現れると思います。
事務所の雰囲気、新人研修制度など肌に合っていれば最高ですね。
あとは習うより慣れろ、慣れたらさらに磨きをかけて、目標となる先輩に一歩づつ近付いて行くべく、頑張りましょう。



Hanaさん(女性/36歳/経験10年)

はじめまして。
これまで密かに楽しく読ませていただいています。有難うございます。
今年からは少しずつ参加させていただきたいな、と思っています。
いまだに毎回初心者の心でいますので“先輩として”などとはとてもとても言えませんが、何かのお役に立てれば嬉しいです。

<初添乗を覚えている?>
お別れ直前に配り物をしているとき目にゴミが入って大泣き。私が感極まって泣いていると勘違いのお客様ももらい泣き。よく見れば、片目からしか涙が出てないことがわかったと思うのですが。とにかく痛くて早く終わらせるのに必死でした。
一人の方から“何年後かにはお客がかぼちゃやキュウリに見えてくるよ。”と言われました。その時は“何年たっても一人ひとりの顔のわかる添乗員でいたいな”と思い、今もその点は心がけていますが、逆に一人ひとりに入り込み過ぎないようにもしなければならないと思うようになりました。

<思い出に残るツアーは?>
毎回何かしら事件は起きるのでそれぞれに忘れがたいです。
昨年の誕生日がツアーの最終日でお客様全員とガイドさんが夕食時にサプライズでお祝いしてくれて感激でした。このツアーでは、乗り継ぎ便の12時間遅れやメインの遊覧飛行に乗れなくなるなどハプニング続きだったにもかかわらず、25人の誰一人文句も言わずお互いを思い遣ってくださる姿に頭が下がりました。

<この仕事のやり甲斐って?>
自分が培ってきた技能や経験を生かしてトラブルを解決できたり未然に防げたりしたときの達成感。
いろいろな都市へ行けること。(←自己満足)
お客様が楽しそうにしている姿。

<これからなろうという人(or 新人)にアドバイスは?>
アドバイスというか、お願いかな。
年配のお客様はなかなか説明を理解してくれないことも多いけれど、イライラしないようにしましょう。例えば、自分の両親がツアーに参加したとしたら、添乗員さんには優しくしてもらって欲しいと思いませんか?(実際は自分の親にはもっと厳しくなっちゃったりするんですが。。。)
バカンスでは誰だってややこしいこと考えず頭パッパラパーにしたいでしょうしね。

昔、ある添乗員さんから“この仕事は栄養と教養はただでつけてくれるありがたーい仕事よ”と言われた言葉が実感できます。

私自身今まだまだ試行錯誤の日々で、やはりアドバイスなんておこがましい感じです。ただ、知識も語学もサービスもどんな経験も生かせる、何一つ無駄にならない仕事だと思います。

待遇面ではつらいことが多過ぎるので、相談されるとつい“(添乗員になることは)勧められない”と言ってしまうのですが、本心ではたくさんの優秀な添乗員が生まれて、社会的に認められる職業になる日がくることを夢見ています。

このカフェがその出発点になるような気がします。これからも宜しくお願いします。では!(アンケートなのにお手紙になってしまって申し訳ありません!)

※ Hanaさん、ありがとうございます。アンケートというより「お話を聞かせて」ですから「お手紙」でいいんですよ!(^^) マスター

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